日本田植え紀行 - お米予約登録産地、JA鹿本 (熊本)2010年6月20日

投稿情報: 産地訪問

お米予約登録 特別栽培米「森のくまさん」産地
JA鹿本(熊本県)  生産者  中山さんを訪ねて

 

お米予約登録でもっとも田植え時期の遅い産地、熊本県のJA鹿本。古くから米どころとして有名だったこの地域。6月20日に熊本県を代表する銘柄「森のくまさん」の生産者、中山さんを訪ねました。

 


ジャンボタニシと共存・共栄

「6年ほど前から、特別栽培米に取り組んでいます」という中山さん。特別栽培米ならではの工夫をお聞きしました。「昔はジャンボタニシは稲を食べる害虫で、薬品で駆除してたんです」稲の害虫として悪評高いジャンボタニシ。しかし、特別栽培米の制約の中では薬品による駆除は困難。「田んぼの水はりを調整することで、ジャンボタニシが稲を食べずに雑草を食べることが判ったんです」高度なコントロールが必要ですが、ジャンボタニシが害虫から益虫へ転身。「おかげで除草剤を使わずに除草ができ、共存共栄です」なるほど。その他にも、地域のバイオマスセンターで作られる液肥を使用したり、刈り取り後にわらをすきこんだり、さまざまな工夫が行われています。


JA鹿本の取り組み

「将来の農業をどうしていくかを常に考えています」
そう話すのはJA鹿本の工藤さん(右)。

特別栽培米の推進や地域と一緒に前述のバイオマスセンターでの資源循環の取り組み、さらには地域の子ども達を招いての「田んぼの学校」開催などユニークで積極的な活動を展開するJA鹿本。「森のくまさん」の収穫を楽しみにしています!

 
大人も子どもも田植えに興ずる「田んぼの学校」

ハートランドの『サラダほうれん草』  (2010年6月9日)

投稿情報: 産地訪問

ハートランドのサラダほうれん草

 
徹底管理された水耕栽培のほうれん草
大阪府泉南市の山間、農業団地「かるがもの里」に、サラダほうれん草のふるさと「ハートランド」があります。立派なビニールハウス内に、コンピューター管理された水耕栽培で育てているサラダほうれん草が緑一面に広がります。
温度、光、水、培養液管理まで自動制御され、経験の積み重ねや技術を多くは必要としない水耕栽培で、できるだけ農薬を使わない、安定した品質のほうれん草を生産しています。

 

障がい者がやりがいをもてる仕事を

「ハートランドは障がい者が主役。彼らが働く喜びを感じて働ける場を作りたいと考え、その結論が水耕栽培だったんです。」と語るのはハートランドの仲井さん。

ハートランドは文具で有名なコクヨのグループ会社。コクヨグループの障がい者雇用促進の一環として2006年12月に設立されました。一般的に企業が障がい者雇用を行う場合、すでに行っている業務の中から、仕事を切り出すのが通例ですが、コクヨグループの場合は違いました。

でも、なぜ農業を選んだのか?仲井さんにお聞きしました。「農業は、種まきに始まり収穫まで、知的障がい者のできる仕事がたくさんあり、何より、作物を育てる喜びを日々実感できる仕事だからです。」との答え。つまり企業事情でなく、働く人の立場から、何が一番よいのかを考えた結果が農業だった、というわけです。

 障がい者がいきいきと働きやすい職場を!


「ハートランドは障がい者のためにつくった会社。私達、健常者のスタッフは、彼らがいきいきと商品価値の高い商品をつくれるよう、作業方法を工夫したり、仕組みを考えたり、より作業性のよい機械を用意したりするのが仕事なんです。」と語る仲井さん。
「社員の幸せを実現するのが会社の役割というコクヨの人間尊重の精神に基づき、ほうれん草を生産する人と、そして、それを購入していただく人の幸せを願って日々取り組んでいます」

ブラシを使って、栽培ベンチはいつも清潔に保っています。


「収穫作業が一番たのしい!」というスタッフのみなさん.

仲井さん(左端)とスタッフのみなさん。